
人生100年時代を迎え、「老後資金の準備」と「万が一への備え」をどのように両立させるかは、多くの方にとって共通の課題です。特に新NISA(少額投資非課税制度)の普及以降、「資産形成はすべて投資でいいのでは?」という声も多く聞かれます。
そんな中、アフラック生命保険が販売する「資産形成と保障のハイブリッド ツミタス」(以下、ツミタス)が注目を集めています。この保険の最大の特徴は、「資産形成」「介護・死亡保障」を1本にまとめつつ、将来の生活変化に合わせて保障の形を自由に“変身”させられる点にあります。
今回はプロのファイナンシャルプランナーとして、ツミタスの仕組みやメリット・デメリットを分かりやすく解説し、新NISAやiDeCoとの賢い使い分けのポイントをお伝えします。
1. アフラック「ツミタス」の基本的な仕組みと3つの大きな特長
ツミタスは、分類としては「低解約払戻金型の終身保険」に近い仕組みを持っていますが、これまでの一般的な終身保険にはなかった革新的な設計が施されています。主な特長は以下の3点です。
① 保険料払込完了後に「戻り率」が確定し、元本割れのリスクがなくなる
ツミタスは、毎月コツコツと保険料を積み立てていく保険です。最大のポイントは、保険料の払込期間が満了すると、将来受け取れる解約払戻金や戻り率(返戻率)が契約時に確定するという点です。
払込期間中に解約すると元本割れ(払戻金が既払込保険料を下回る)しますが、満了後まで継続すれば、支払った保険料以上のお金が確実に手元に戻る仕組み(契約内容や経過年数により110%〜150%程度など)になっています。投資のような価格変動リスクを避け、安全確実にお金を増やしたい方に適しています。
② 加入時も、将来のコース変更時も「健康状態の告知」が不要
一般的な生命保険や医療保険に加入する際は、現在の健康状態や過去の病歴を詳しく申告(告知)しなければならず、持病があると加入を断られるケースがあります。
しかし、ツミタスは加入時の健康告知が一切不要(無告知)です。※ただし、今までに公的介護保険制度の要支援・要介護認定を受けたことがある方や申請中の方は申し込めません。
さらに、後述する「将来のコース変更」の際にも告知が要らないため、将来もし持病を抱えることになっても、保障を切り替えることができます。
③ ライフステージに合わせて選べる「将来の6つのコース(変身機能)」
ツミタスの最もユニークな特徴がこれです。保険料の払い込みが満了する年齢(60歳や65歳など)を迎えた際、その時の自分や家族の状況に合わせて、保障の形を以下のコースから選択・変更できます。
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介護・死亡同額保障コース:加入時の介護・死亡保障をそのまま継続するバランス型。
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介護重点保障コース:死亡保障を抑え、介護保険金をより手厚くする。
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死亡保障コース:介護よりも万が一の死亡時の家族への遺せるお金を重視する。
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医療保障コース:老後の病気やケガの治療、先進医療、通院に備える医療保険へ切り替える。
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確定年金コース / 終身年金コース:増えた解約払戻金を原資として、毎年一定額の年金を受け取る。
加入時に「老後の自分が何を必要としているか」を決める必要はなく、「未来の自分が、その時の判断で決められる」という柔軟性こそが、ツミタスの真骨頂です。
2. FPが考えるツミタスの3大メリット
メリット1:健康不安があっても「老後資金+医療・介護」の土台を作れる
年齢を重ねるにつれ、血圧の値や持病のために新しい保険に入りにくくなるリスクは高まります。ツミタスであれば、50代や60代からでも告知なしで加入でき、払込満了後には無告知で本格的な医療保険や介護保険へ移行できます。「若いうちに保険に入りそびれた」「持病があるけれど、老後の安心を1本で確保したい」という方には強力な選択肢となります。
メリット2:確実な「貯蓄の強制力」と「生命保険料控除」による節税効果
投資信託などはいつでも解約・引き出しができる反面、自己管理が苦手な方は途中で使ってしまうリスクがあります。ツミタスは「途中でやめると元本割れする」という適度なペナルティがあるため、老後まで確実にお金を残す「強制貯蓄」として機能します。また、支払った保険料は「生命保険料控除」の対象となるため、毎年の所得税や住民税を軽減できるメリットもあります。
メリット3:見通しの立たない未来に対する「選択肢の留保」
30代・40代の時点で、自分が60歳になったときに「医療保障」「介護保障」「現金(年金)」のどれを一番欲しているかを予知するのは不可能です。独身のままかもしれないし、子どもが独立して死亡保障が不要になっているかもしれません。ツミタスは、その決断を未来の自分に先送りできるため、ライフプランの変化に柔軟に対応できます。
3. 加入前に必ず知っておくべきデメリットと注意点
非常に魅力的なツミタスですが、保険である以上、以下のデメリットを正しく理解しておく必要があります。
デメリット1:途中解約は「大幅な元本割れ」になる
保険料の払込期間中に解約した場合、解約払戻金はアフラックの規定により、通常の払戻金の70%程度に低く抑えられます。つまり、支払った総額よりも大幅に少ない金額しか戻ってきません。途中で保険料の支払いが苦しくなって解約せざるを得なくなるような、無理のある保険料設定は絶対に避けなければなりません。
デメリット2:インフレ(物価上昇)に弱い
ツミタスは契約時に将来の払戻金や戻り率が固定される「定額型」の保険です。そのため、将来もし日本が急激なインフレ(物価上昇)に見舞われ、現金の価値が相対的に下がってしまった場合、何十年後かに受け取る満期金の実質的な購買力が目減りしてしまうリスク(インフレリスク)があります。
デメリット3:資産形成の効率(リターン)は投資に劣る
安全性が高く保障がついている分、新NISAなどで全世界株や米国株の投資信託を長期運用した場合に比べると、資産の増え幅(期待リターン)は圧倒的に低くなります。お金を爆発的に増やしたいという目的には不向きです。
4. 新NISA・iDeCoとの違いと、失敗しない使い分け
「資産形成」という枠組みにおいて、ツミタス、新NISA、iDeCoはそれぞれ全く異なる性質を持っています。以下の比較表にそれぞれの特徴をまとめました。
資産形成手段の比較表
| 項目 | アフラック「ツミタス」 | 新NISA | iDeCo |
| 主な目的 | 死亡・介護保障 + 安全確実な積立 | 中長期の資産運用(自由度高) | 老後資金の形成(年金準備) |
| 運用のリスク | なし(払込満了後は元本保証) | あり(元本割れの可能性あり) | あり(元本割れの可能性あり) |
| 税制メリット | 生命保険料控除(一定枠) | 運用益がすべて非課税 | 掛金全額が所得控除、受取時優遇 |
| 資金の流動性 | 低い(途中解約は元本割れ) | 高い(いつでも非課税で売却可) | 極めて低い(原則60歳まで引き出し不可) |
| 保障の有無 | あり(死亡・介護保障) | なし | なし |
プロが勧める「ハイブリッド」な組み合わせ方
FPとしての結論を言えば、これらは「どれか一つに絞る」のではなく、「それぞれの強みを活かして組み合わせる」のが正解です。
お勧めしたいのは、お金を目的別に「3つの器」に分けて管理する方法です。
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守るお金(預貯金):生活費の半年〜1年分など、急な出費に備える現金。
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安全に増やす+備えるお金(ツミタス):絶対に減らしたくない老後資金の土台、および万が一の医療・介護の備え。
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攻めて増やすお金(新NISA・iDeCo):インフレに対抗し、長期的な複利効果で大きく増やすための投資。
例えば、毎月の余剰資金が5万円ある場合、4万円を「新NISA」でインデックス投資に回して攻めの運用をし、残りの1万円を「ツミタス」に回して将来の医療・介護保障の権利を買いながら、確実な老後資金のベースを作る、といったポートフォリオ(資産構成)が非常にバランスが良くお勧めです。
5. まとめ:アフラック「ツミタス」はどんな人に向いているか?
最終的に、アフラックの「ツミタス」が向いているのは以下のような方です。
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健康状態に不安があるが、老後の医療や介護の備えをしっかり確保したい方
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投資の元本割れリスクが怖く、確実に増える仕組みでお金を貯めたい方
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将来、自分がどんな保障(医療・介護・年金)を必要とするか現時点で決めきれない方
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新NISAなどで投資は行っているが、全額を投資に回すのは不安で、安全なクッション資産を作りたい方
ツミタスは、単なる「貯蓄型保険」を超えた、ライフプランの不確実性をカバーしてくれる便利なツールです。ご自身の現在の年齢、健康状態、そしてすでに始めているNISA等の運用バランスを天秤にかけながら、老後の安心を支える貴重な選択肢の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。












